支援級の先生は、毎日Dくんの様子を連絡帳に書いてくださいます。
ある日、いつもと同じようにDくんが学校から帰ってきました。
私が連絡帳を読もうと思ってランドセルを開けると、連絡帳が、ない……!
「あれ? 連絡帳が入ってないけどどうしたの?」
「どうしたんだろう……」
「学校に忘れてきちゃったのかな?」
「そうかも」
ときどき、給食袋なども忘れてくることがあるDくん。
忘れ物かな?
そう思って、明日は持ってくるように言ってその日は終わりました。
そして次の日、Dくんが学校から帰宅。
Dくんのファイルに、以下のような先生からのメモが入っていました。
“連絡帳が見当たらなかったので、メモに書きました!”
……ん? ……あれ?
「連絡帳、学校に忘れてきたんじゃなかったの……?」
「あ、うーんと」
なにやら、ランドセルラックの引き出しをごそごそ探りはじめるDくん。
まさか……。
「あったー」
いやいや、あったー! じゃないわ。
そんなとこに隠してたんかい。
厳重注意の上、隠ぺい事件をやんわりと連絡帳に書く私。
次の日、学校でも連絡帳を先生に見せたがらない様子であることが発覚しました。
まぁ……気持ちは分からないでもない。
あれこれ自分のこと書かれて、ああだこうだ言われるのは気持ちのいいものじゃないものね。
連絡帳には、Dくんが苦手を克服しようと頑張っている様子があたたかい目線で書かれている。
書いてあることについて、叱ったりはせずにむしろほめるようにはしていたのだけれど、それにしたって恥ずかしく感じるものかも。
でも、連絡帳はDくんの体調を知らせたり、家庭と学校が相談しあってDくんをサポートしていくために大切なもの。
先生からもDくんに、そうお話してくださったそうだし、私も同じようにお話ししました。
それからは、連絡帳を素直に見せてくれるようになったけど、Dくんがなるべく嫌な気持ちにならないようには気をつけたい。
先生からは、学校ではこんなことを頑張っていたのでおうちでいっぱいほめてあげてくださいね、とやさしい言葉を書いていただいている。
ありがたいことだけど、家ではほどほどに触れるようにしようかな。
なんとなく、本人が恥ずかしがってるようなので。